在宅酸素療法
在宅酸素療法とは?
呼吸機能の低下により、血液中の酸素が不足したままの状態が長引くと、肺以外の臓器に負荷がかかり、高血圧や心不全・脳卒中・狭心症・急性心筋梗塞などの合併症を引き起こす危険があります。
体の中に酸素を十分に取り込めず、高濃度の酸素を吸う必要がある患者様のご自宅にて、長期に渡って酸素吸入をする治療法です。
対象疾患
※「医療診療報酬点数表 平成20年4月版」より抜粋
1.高度慢性呼吸不全例
ただし、動脈血酸素分圧(PaO2)が55Torr(mmHg)以下の者、およびPaO2 60Torr(mmHg)以下で、睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症を来たす者であって、医師が在宅酸素療法を必要であると認めた者。
適応患者の判定にパルスオキシメータによる酸素飽和度から推測しPaO2を用いることは差し支えない。
2.肺高血圧症
3.慢性心不全の対象患者
ただし、医師の診断により、NYHAⅢ度以上であると認められ、睡眠時のチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数および低呼吸数をいう)が20以上であることが睡眠ポリグラフィー上で確認されている症例。
4.チアノーゼ型先天性心疾患
チアノーゼ型先天性心疾患に対する在宅酸素療法とは、ファロー四徴症、大血管転位症、三尖弁閉鎖症、総動脈幹症、単心室症などのチアノーゼ型先天性心疾患患者のうち、発作的に低酸素または無酸素状態になる患者について、発作時に在宅で行われる救命的な酸素吸入療法をいう。
治療方法
在宅酸素療法を行うためには酸素供給装置が必要になります。装置には、液体酸素装置と酸素濃縮装置の二つがあります。
液体酸素装置
液体酸素を少しずつ気化させた、気体の酸素を供給するシステム。
電気を使用しない為、停電時など万が一の時にも使用できますし、電気代がかかりません。
高濃度&高流量酸素の投与が可能で、重症な患者様にも使用出来ます。
こんな方にオススメです
- 仕事も続けたい
- 外へ遊びに行くことが趣味
- 携帯して持ち歩きたい
- 電気を使わないので停電時にも使用できる
酸素濃縮装置
部屋の空気を取り込み、窒素を取り除いて濃縮された酸素を供給できるシステムです。
停電時・外出時は携帯用の酸素ボンベを併用します。
こんな方にオススメです
- 家にいる時間が多い
- 操作が簡単である
- 酸素ボンベは長期保存できる